八都県市緑の『知る・見る・歩く』マップ
八都県市 緑の『知る・見る・歩く』マップ作成の主旨
この八都県市の 緑の『知る・見る・歩く』マップは、八都県市における緑の分布状況と、都市公園の整備や法律、条例等の規制による緑の保全など、都県市の多様な緑地の保全・活用に関する取組を一枚の地図にまとめたものです。 皆様に九都県市の緑の保全に関する取組の状況を知っていただくと同時に、緑地の保全等に関連する活動や、レクリエーション、環境学習活動の企画立案のためのベースマップとして活用していただき、ともに首都圏の緑のネットワーク形成を目指していくことを目的に作成しています。 皆様の活動の一助になれば幸いです。是非、ご活用ください。 (下図をクリックするとPDFデータが拡大表示されます。)
広域的な緑のネットワークの将来像
九都県市緑化政策専門部会では、九都県市の広域的な緑のネットワークの将来像を、5つの考え方で検討を進めています。
「首都圏の緑の回廊」をつくる
○概要
丘陵地、農地、環状道路、東京湾などにより環状の緑のネットワークを形成していきます。
○期待する効果
・生物の移動空間の確保
・市街地への冷涼な空気の通り道の確保 など
○ネットワーク形成に向けたアクション案
拠点となる丘陵地の緑を保全するとともに、環状の回廊を形成するように拠点間の緑を施設緑地の整備、地域制緑地の指定など様々な手法を用いて保全・再生・創出していきます。
湾岸に残る貴重な自然海岸を自然公園、特別緑地保全地区等の指定により保全するとともに、土地利用の転換による緑地の創出や効果的な工場緑化を推進することにより湾岸部の緑の回廊の形成を図ります。
「河川沿いに緑の軸」をつくる
○概要
広域的な河川及び河川沿いの緑により放射状の緑のネットワークを形成していきます。
○期待する効果
・「風の道」形成によるヒートアイランド現象の緩和
・生物の移動空間の確保
・日常生活において自然環境と触れ合える場の提供 など
○ネットワーク形成に向けたアクション案
広域的な河川が各都県市から東京湾に注いでおり、これら河川沿いの緑は、山と海を直接つなぐ放射状の緑のネットワークを形成しています。
河川の緑は、地形、植生、土地利用などによって流域ごとに形成されており、河川の流域を単位として国及び河川管理者と連携し、河川の緑づくり、水質の向上を図ります。
地域制緑地の指定や施設緑地の整備等、様々な手法を用いて沿川における緑地を確保し、九都県市において骨格的な放射状の軸を形成していきます。
「エコアイランド」をつくる
○概要
市街地内に点在して残る緑は、生物にとって海に浮かぶ島にも例えられます。これらの緑によるネットワークを形成していきます。
○期待する効果
・生物の生息・生育・移動の空間の確保
・身近な自然環境とのふれあいやレクリエーション空間の確保
・良好な市街地景観の形成 など
○ネットワーク形成に向けたアクション案
九都県市においては、生物の生息空間としての緑が急速に減少しています。また、面としての広がりをもっていた緑が線または点状に縮小、分断されるなど、その配置についても負の変化が生じています。
このため、各都県市で緑の拠点に位置付けられている市街地に隣接・近接した核となるエコアイランドの保全・再生を進めるとともに、市街地の施設緑地の整備をはじめ、屋上緑化など民有地の緑化を含めた様々な手法を用いたエコアイランドの創出を図り、それぞれを連続させ、ネットワークを形成していきます。
「海の森」を再生する
○概要
東京湾の緑を連続させ、海の森によるネットワークを形成していきます。
○期待する効果
- ・冷涼な海風の導入による都市熱環境の改善効果
- ・首都圏の顔ともいえる魅力ある湾岸景観の創出
○ネットワーク形成に向けたアクション案
東京湾岸においては、既存の工場の移転等により土地利用が変化していく可能性が高いため、一部に残された貴重な緑を確実に保全するとともに、開発時における緑地の確保、未利用地の活用、向上緑化の改善など、緑の役割に応じた様々な手法により、新たな緑を再生・創出し、緑のネットワークを形成していきます。
「山の力」でまちをまもる
○概要
広域的な緑のネットワークの基盤となっている都市の背後に広がる山地、丘陵地などの森林を保全・再生していきます。
○期待する効果
・水源の涵養
・新鮮な空気の供給
・二酸化炭素の吸収
・生物多様性の確保
・レクリエーションや市民活動の場の提供 など
○ネットワーク形成に向けたアクション案
九都県市では広大な面積を占めるスギ・ヒノキ林などの人工林は、林業の衰退などにより、間伐などの手入れが行われず、公益的機能が著しく低下しています。
荒廃した人工林の公益的機能を回復するため、九都県市が共同して、行政、市民による適正な維持管理体制を整備し、森林の再生を図っていきます。また、これを実現するための新たな財源の確保に関する検討も行っていきます。